見落とし注意!海外撮影の「撮影申請」

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※この記事では、海外撮影のロケーションに対する「撮影申請」について解説しています。

世界には魅力的なロケーションが無数存在し、日々数多くの撮影が行われています。

そんな海外撮影ですが、ヨーロッパ諸国やアメリカでは、必ずと言っていいほど、ロケーションに対して正式な「撮影申請」を提出する必要があります。

そんな避けては通れない撮影許可申請ですが、実は日本からの撮影隊が見落としがちなプロセスの一つです。

この記事では「撮影申請」の重要性とメリット、申請作業を行う上での注意点について、コーディネーター目線から詳しく解説していきます。

1. 「撮影申請」って何?

アメリカような映像が大きな産業であるような国では年間を通して、日本をはじめ、海外から多くの撮影隊が訪れ、全米各地で撮影が行われ、道を歩いていても、撮影に出会すことは日常茶飯事です。

ですので、アメリカは基本的には撮影の受け入れに関しては寛大ですが、

撮影する側と撮影を受け入れる側の間でのトラブルが起きないように、撮影を申し込む際に、正式なプロセスの一環として、

正式に申請書類を提出し、決められた使用料を支払い、撮影を受け入れる側が設けている撮影の規則に則って契約をする必要があります。

1.1. 「撮影申請」のメリット

  • 他の撮影隊と日程がかぶることを防げる
  • ロケーションの一般利用者より優先してスペースを使用できる(場所によってはそれを許可していないこともあります)
  • 大掛かりな通行止めが許可される
  • 警察や警備に中断されることなく撮影ができる
  • 警察や消防に協力を要請することができる

など

1.2. 「撮影申請」のデメリット

  • 手続きに時間がかかるのことがある
  • クルーや機材、撮影内容に関して細かく報告する必要がある場合があるので、内容や規模が決定していないと手続きが進まない
  • ロケーションによっては撮影費用が高い
  • 保険などの書類が揃わないと却下される可能性がある

など

時間や費用が余分にかかるものなので、小規模な撮影の場合は避けたいという気持ちが強くなるかと思いますが、

撮影許可を取得していないと、警察に撮影を中断されたり、訴えられるなんて可能性もあるのがあります。

例えば、観光客で賑わうロサンゼルスのベニスビーチでは、大きめのカメラを構えた瞬間に、警備員が注意しに来るということも頻繁に起こります。

とーっても運良く中断されることがなかったとしても、公開された映像を見た土地の管理者にクレームを受け、

莫大な映像使用料金を請求されたり…
ひいては、訴えられるなんて可能性も…

逆に、そういったトラブルに遭遇しないためにも、必要不可欠なものなのです。

2. 申請の流れと注意点

どこでも必要になる撮影申請ですが、契約内容やプロセスに基準はなく、実はそれぞれのロケーションや施設が独自に設定しています。

ですので、撮影申請を始めるには、まず特定のロケーションの申請手続きに関してリサーチをかけることが必要不可欠です。

ただし、申請の大まかな流れは一緒なので、早速そのあらましについて解説していきます。

アメリカの国立公園で撮影したい場合の申請の仕方を具体的に知りたい方はこちらから

2.1. アプリケーション(申請書)の提出

先ほども述べましたが、撮影申請の内容はそれぞれのロケーションが独自に設定しているので、アプリケーションについて調査する必要があります。

ロケーションのウェブサイトから申請書をダウンロードすることができるところもあれば、

電話やemailで問い合わせて、申請書を受け取るところもあります。

多くの場合、この申請書に、撮影の日程や規模、制作会社の情報を明記して提出します。

また、多くのロケーションでは、返金不可の申請費を支払う必要があります。

この費用も、ロケーションが独自で設定していて、

数十ドル〜数百ドルの前後の申請費を想定してください。

○注意点

アプリケーションを提出する段階でぜひ注意すべきなのが、

1箇所のロケーションの撮影でも、複数の管轄があり、複数の申請を出す必要がある

場合があります。

例えば、ロサンゼルス市内のとある私有地での撮影では、

  • ロサンゼルス市
  • 土地の所有者

の2箇所に対して申請を提出する必要があり、

それに伴って、その2箇所に対して申請料を支払う必要があります。

1箇所でも申請漏れがあると、撮影当日に止められたり、申請が通らなかったりする可能性があるので、アプラリケーションを提出する先が他にもないか、しっかり確認しましょう。

また、現在では、2020年のパンデミックの影響で、現場の衛生と安全を監督するコロナオフィサーを雇う必要があり、

具体的なコロナ対策プランを記入する必要があります。

2.2. 申請内容の審査

アプリケーションを提出したら、ロケーション側が申請内容を確認します。

審査といっても、公的書類の様な厳しいものではないのでご安心ください。

このステップの主な目的は、申請を受け入れる側がそのロケーションでどの様なことが行われるかを把握することです。

テレビの取材などの小規模な撮影でしたら、ほどんど何も聞かれませんし、

コマーシャルや映画などで大掛かりな照明が必要であったり、トラックを現場に乗り入れる必要があったとしても、パーキングのプランや搬入の対策などがしっかりしていれば、却下されることはほとんどありません。

また、スタントや火を使う撮影であっても、警察や消防を雇うなどして対策を行えば、大方の撮影は申請が通ります。

◯注意点

このステップは、時間がかかる可能性があるので、余裕を持って申請を始めましょう。

時間がかかる理由として、申請内容を確認するスタッフの反応が鈍いというケースも稀にありますが、

  • 申請書の内容を確認するために何度かやりとりを行う
  • 場合によっては、申請書を提出した時点から撮影の日程や規模などが変更になって内容を更新する
  • 火を使ったり通行止めを行うなどが必要な場合、ロケーションの管轄の他に、現地の警察や消防が書類の審査を行う
  • 現地との時差で連絡がとんとん拍子に行かない

といった理由で1ヶ月前後かかることも想定しておきましょう。

2.3. 撮影保険

申請内容の審査とほぼ同時進行で行われるのが、「撮影保険」の提出です。

「撮影保険」とは、撮影時に起こりうるアクシデントや損害をカバーしてくれる保険で、

撮影をする制作会社が、保険を保有しているという証明書をロケーションに対して提出する必要があります。

特にアメリカでは、

撮影申請が必要なロケーションでは必ず撮影保険が必要になります。

保険証明の提出ができないと、撮影の許可は下りないので、非常に重要なステップになります。

◯注意点

撮影保険の保証内容にはある程度のスタンダードはありますが、最終的な条件は各管轄が設定しているので、場合によっては特別な保険が必要になることもあります。

また、アメリカでの撮影保険は、アメリカに法人を置いている会社しか購入することができないため、

この段階で必ず現地の制作会社、またはコーディネーターに入ってもらう必要が出てきます。

現地コーディネーターを上手に活用して撮影を円滑に行う方法はこちら

また、ドローンを使用する場合、ドローンオペレーターから、ドローン専用の保険を提出してもらう必要があります。

2.4. 契約と撮影費の支払い

審査が終わり、必要書類が全て出揃い、撮影の許可が下りると、撮影費の支払いが必要になります。

先ほど、申請費というものがありましたが、これはその費用とは別で、撮影を行うことに対する費用になります。

ロケーションや撮影の規模によっては、撮影費が免除されることもありますが、多くの場合は支払いが必要になります。

この費用は、スチルの撮影よりもムービーの撮影の方が高かったり、少人数より大人数の方が高かったりと、

申請内容や規模に応じて変動することがあり、数百ドルから数千ドルかかります。

◯注意点

多くのロケーション撮影の場合で、ロケーション側がロケーション監督を送り込むことがあり、彼らの費用も、時間制で支払う必要があります。

また、警察や消防が必要と判断された場合は、彼ら全員に対しての支払いも発生しますのでご注意ください。

また、その様な人員に対する費用は時間でカウントされますので、撮影後に請求書が届くことになります。

2.5. 許可

ここまでのステップがしっかり行われていれば、撮影の許可はすぐそこです。

この段階で、ロケーションからは撮影に関する契約書または許可書が送られてきます。

その契約書にサインをし送り返し、カウンターサインと呼ばれる、ロケーションの代表のサインが入った書類が送り返されたら、契約成功となります。

3. 常に許可証を携帯しよう

許可が下りたら、必ず許可証をプリントアウトして現場に持参しましょう。

市や郡から許可を出してもらっている場合は、撮影前までに現場付近に撮影に関する連絡が入っていることもありますが、

万が一現場で警察や住民に質問された際に、いつでも許可があることを証明できるように準備を整えておきましょう。

4. まとめ

必要不可欠なのに忘れがちな「撮影申請」について、お分かりいただけましたでしょうか。

時間やお金や特殊な保険が必要だったり、

申請を始めるためのリサーチやフォームの記入、交渉などは、もちろん英語もしくは現地の言葉で行われるので、

英語に自信がない人や保険の発行が必要な人は、現地の制作スタッフに依頼するとスムーズにプロセスくることができるかもしれません。

撮影する側もさせる側も、近隣住民ともトラブルなく撮影を進めるための必須アイテムが撮影申請です。

時間に余裕をもって、しっかりプロセスできるように準備しましょう。

海外での撮影の準備で、撮影許可をとるステップで行き詰まっているという方や

撮影申請についてもっと詳しく知りたい方は、

ぜひお問い合わせください。


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「見落とし注意!海外撮影の「撮影申請」」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 現地コーディネーターの上手な使い方 | High Voltage Entertainment, Inc.

  2. ピンバック: アメリカの国立公園で撮影許可をとる方法 | High Voltage Entertainment, Inc.

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