
ロサンゼルスはなんでヤシの木が多いの?
2ハイボルUSA/海外で映像づくり。2021/04/09 18:05
ロサンゼルスを拠点に活動する映像制作会社
HVEでインターンをしているERIです。こんにちは。
ハイボルのホームページはこちら!(www.highvoltageusa.com)
今日は、ふっと頭に浮かんだ疑問を解消してみようと思います!
オフィスから外を見渡すと、ヤシの木がゆらゆらと風で揺れているのですが、「そういえば、なんでロサンゼルスにはヤシの木がいっぱいあるのだろう?」とふっと疑問が沸きました。
今やロサンゼルスのアイコン的な存在の「ヤシの木」。
ロサンゼルスを舞台にした映画やドラマでは必ず出てきますよね。
車でヤシの木が綺麗に並んだ道路を走るシーンなんかよく見たのではないでしょうか?
ヤシの木が出てくるだけで、舞台はロサンゼルスなんだなって分かるほど。
「90210」(「ビバリーヒルズ高校白書・青春白書」のリブート版)でも、
カンザスからロサンゼルスに引っ越してきた家族が
初めてロサンゼルスの街中を車で走っている時に、
「Palm tree, palm tree, and palm tree(ヤシの木、ヤシの木、またヤシの木)」って言っていたのが印象に残っています。https://www.youtube.com/embed/s7OhkfQgOJ0?rel=0

どの道にも必ずと言っていいほど生えているヤシの木。
きっと昔から生えているのだろうなーっと思いつつ、
ちょっと気になったので調べてみると、
びっくり!ロサンゼルスには元々ヤシの木は全く生えていなかったのです。
1800年代後半、その頃のロサンゼルスの景色がこちら。

見るとお分かりかと思いますが、
ロサンゼルスになくてはならないヤシの木が全くない(笑)
むしろ、高い木がない!
さらに、今ロサンゼルスに生えているヤシの木は原生の木ではないのです!
カリフォルニアのネイティブヤシの木は、「ワシントンヤシ(California Fan Palm)」のみ。しかもこのヤシの生息地はコロラド砂漠(ジョシュアツリー公園)があるエリアのみ。
この辺りに暮らしていたネイティブアメリカン達の重要な食材だったそう。
ヤシの実は生でも火を通しても美味しく食べられ、
さらにこなにすればパンやケーキも作れたそうですよ。
そして、繊維質の葉っぱは屋根・カゴ、さらにはサンダルにもなったそうです。
なんて万能!

確かにこんなヤシの木も見たことはありますが、道路沿いに生えているのとはちょっと違う。
じゃぁいつ頃から今のヤシの木は植えられ始めたのか?
どうやら、ここ100年くらいの話だそう。
(って、100年って聞くと長いなって思いますが。笑)
ワシントンヤシ以外のヤシは、19世紀に他の場所から運ばれてきたもの。
今、一番ロサンゼルスに植えられれているものは、
1930年にメキシコからやってきた「ワシントンヤシモドキ(Mexican fan palms)」です。
「もどき」って適当すぎる…笑
そして面白いことに、「ヤシの木をロサンゼルスのアイコンにしようー!」として植えられたのではなく、全くそういう意図はなかったのにアイコンになってしまったのです。
さてどんな経緯なんでしょうか。
1932年にロサンゼルスでオリンピックが開催されることが決定し、
街を美しくしようというプロジェクトでヤシの木が植えられることになったのです。
ヤシの木が選ばれた最初の理由は、安いから!
当時なんと1本3.60ドル。(日本円で約400円!)
さらに、育成が簡単!
そして、他の木に比べて根っこが地中深くまで伸びないため、水道管を傷つけないという理由もあったそう。
その結果、約40,000本のヤシの木がロサンゼルスに植えられたのです。
その後、ロサンゼルスに数多くの
エンターテイメントの企業が移動してきます。
多くの映画、さらにレッドカーペットや授賞式の映像で
ヤシの木が登場し、「ヤシの木=ロサンゼルスのアイコン」という
地位を確立していったのです。

そんなアイコンのヤシの木ですが、
何と今後ロサンゼルスから姿を消す可能性があるというのです!
ヤシの木の寿命は80〜250年と言われ、今一番古いもので150年で、
徐々に寿命が来るヤシの木たち。
さらに菌や害虫の被害も多発しているそうで、枯れるヤシの木が増えています。ただ、今後植え替えられることはないのです…。
ロサンゼルスが「今後植え替えはしない」と発表したから。
理由は、ヤシの木に大量の水が必要なこと、
ヤシの木ではそんなに日陰ができないこと、
(確かに素敵な日陰を作るような形ではない…ひたすら背が高いし…)
そして害虫被害が多発しているからだそう。
余談ですが、私の友人が以前ヤシの木の下に車を置いていたら、
落ちてきたヤシの葉のせいで車のフロントガラスがバリバリに割れたと言っていました。
こんな被害もあるんだなぁと…。

確かに、ヤシの木の葉っぱってすごいんですよ!
ロサンゼルスに来るまで見たことなかったのですが、
初めて道路に落ちている枯れた葉を見たときは結構衝撃的でした。
あんな高いところからこれが落ちたらガラスも割れるわなという感じ。
今後植え替えがされないとなると…、
この「ロサンゼルス=ヤシの木」という
イメージもなくなってしまうのかな。
なんか、ヤシの木がないロサンゼルスって想像がつかないです。
(砂漠っぽくなるのか…?)
寿命だけで考えれば、あと100年くらいはこの景色は守れそうですが、
どうなってしまうんだろう。
時間とともに街は変わっていくのは当たり前のことなんでしょうが、
なんかさみしいなぁ。
皆さんもロサンゼルスに来た際には、もしかしたら今後なくなってしまうかもしれない「ヤシの木いっぱいのロサンゼルス」で写真や動画をいっぱい撮影しましょう!
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